「秋田木工・日本の曲木」

 

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皆さん「曲木」と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか。
当店でも取扱いがある、曲木家具について少しご案内します。

曲木とは、無垢の木材を水分と熱によって曲がりやすくし、型に嵌め込み乾燥、成形する加工技術(また加工した木材)をいいます。
木材を曲がりやすくするには、水に浸し加熱することもあれば、煮沸や高温で蒸す手法もあります。

19世紀中ごろ、ドイツ人のミヒャエル・トーネット(1796-1871)が完成させた技術ですが、
日本では国内唯一の曲木家具専門メーカー、秋田木工が知られています。

木材を曲げる際カーブの外側は引っ張られるため、素材には硬さに加えてしなやかさ(粘り)が要求されます。
それに応えられる木がブナであったため、曲木家具にはブナが使われることが多いのです。

この点、ドイツ周辺にブナ材が豊富にあったこともトーネット成功の一因であったと言えるでしょう。
一方、秋田木工の方はといえば、こちらも白神山地のブナ原生林が有名なように、材料の利があったことは想像に難くありません。

最近では技術も発達し、硬いオーク材なども使って曲木家具を生産しているようですが、
個人的にはより硬い木材で曲木家具をつくることはやや心配ではあります。

というのもこれまでに、粘りのあるブナの曲木でさえ、長年の湾曲に耐えられず繊維が破断したり、
木材が元に戻ろうとする力を抑えきれずにかなりの歪みが生じているものをいくつも見てきたためです。
(それでも他メーカーに比べ、秋田木工の製品はかなりの精度を保ち続けていたように感じます)
したがって、より硬いオーク材などでの曲木では無理が生じやすいのではないかと思うのです。
まあ、この辺りは各メーカーが重々テストしているでしょうし、長年経ってみなければわからないこともあるのでしょう。

いづれにせよ、木材の性質や含水率から的確な対応をしなければ、すぐに割れが生じ、製品として出荷できないことにも成りかねません。
このように曲木の加工は熟練の技を要し、手間暇がかかる、とされています。
実際に曲木加工に従事したことはありませんが、国内の工場で(秋田木工ではありません)曲木加工を見せてもらったことがあり、
その感想としてはまず単純に「暑い!」ということでした。
高温の蒸気に包まれながらの作業となるので当然と言えば当然ですが、、、

では、なぜ熟練の技を要し手間暇を掛け加工するのかというと、いくつか理由があります。

ひとつは、その美しさです。
空に伸びる1本の木であったと思えない、やわらかな曲線。
そこに流れるような木材本来の杢目が自然に表れます。
木の繊維を断ち切らず、無垢の木材だからこそ叶う有機的な造形は美しいです。

つぎに、実用性。
ゆるやかな曲線はしなやかな強度を保ち、丈夫です。
堅牢さと軽量さを兼ね備えた曲木は、日常家具として優れた特性を有しているといえるでしょう。

 

さて、写真には秋田木工の曲木家具が4種、写っています。
カフェテーブル、スツール、鏡、コートハンガーという多様さ。
曲木の家具はややもすると古臭い印象を受けてしまいますが、
古き良き時代というようなノスタルジックな感じはありません。

写真の鏡は柳宗理氏のデザインですが、他は恐らく社内デザイン。
社内デザインでも古臭くならないのは、同社が著名デザイナーと度々タッグを組む中で
社内にもある種のセンスというべきものが醸造された証左ではないでしょうか。
あるいはそういうメーカーであったからこそ、時代を代表するようなデザイナー達と仕事をすることを選んだのかもしれません。

カフェなど、日常気軽に利用する場所でも曲木家具が置かれていることも多いと思います。
そんな普段何気なく目にしているところでも、ふと注目して見てみるといつもと違う発見があり面白いと思います。