かつて岐阜県飛騨地方で作られていた千巻（せんまき）のトレイ。
▲年輪のように見えますが、実は独特な製法による木工品。
その製法とは、ヒノキ・カラマツなどの原木を幹の円周に沿って単板に刃ぎ、それをさらにテープ状に細かく裁断。
これを巻きながら積層、接着・成形して仕上げます。
極めて堅牢で、狂いや歪みのない仕上がり、耐水性・耐熱性にも優れた製品が出来上がります。
独特の製法から生まれる自然な木目がうつくしいため、海外においても高い評価を得た工芸品。
非常に軽く、無垢材を切り出すのとはまた違ったエコな手法でもあります。
今の時代にこそ求められる製造方法といえますが、残念ながら後継者がおらず途絶えてしまった工芸品の一つ。
良く似た製法では青森のBUNACO（ブナコ）がありますが、その前身とも考えられます。
▲すり鉢状の造形。
▲手間をかけた姿は手にする度、今はなき技術やその時代の温かみを感じられる商品です。
経年変化・スレ・小キズがありますが、大きく目立つダメージは見受けられません。
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