チェコスロバキア時代に作られた、デキャンタとリキュールグラス。
チェコ/ボヘミアにおけるガラス工芸の歴史は古く、13世紀から始まり、父子相伝と細々と受け継がれていたガラス工房が発展し、
歴史に翻弄されながらも、今も続くチェコの代表的な産業となっています。
1948年社会主義下のチェコスロバキアで政府に国有化され、規模が縮小されようとしていたガラス産業でしたが、
第二次世界大戦後に開催された万博ミラノ、ブリュッセルに出展し世界から高評価を得ました。
この成功の結果、ガラス産業は政治的プロパガンダの広告塔とされ、手厚い国家援助を受けることとなります。
芸術家は国によって選ばれ、量産するガラス製品の開発をしなければなりませんでしたが、
同時に創作するための場所も得ます。
皮肉にも、国から与えられた環境は一個人では得難い制作活動の場となり、チェコガラスの芸術性をさらに高め、今に至ります。
▲こちらは、そんな時代に作られたデキャンタとリキュールグラス。
グリーンのガラス地にハンドペイントされた図案が美しい。
透き通るガラス地に金彩がよく映えます。
チェコスロバキアは1993年にチェコとスロバキアに解体されているので、少なくともそれ以前の製造です。
未使用の美品。