日本の時間を色濃くあらわす道具、急須とゆのみ。
三重、熊野古道近くに窯工場があった御浜焼きです。
1959年に創設された窯では当初赤みがかった陶土が欠点とされましたが、
発想の転換で特徴的な土で味わいのある焼き物を作ることになり、
それゆえに釉薬の開発が促され、特徴的な御浜焼きが出来るに至りました。
御浜焼きとして、代表的なのは熊野灘の海の色を思わせるブルーですが、
那智黒石のような美しさを持つ黒を基調とした御浜焼きもあり、艶やかで豊かな表情が特徴。
こちらは前者の七里御浜から見える熊野灘のようなブルーを基調としています。
厚みがあり柔らかなフォルムと自然な色合いは御浜焼き固有の風合い、心落ち着くものがあります。
残念ながら、御浜窯は2006年に閉じられ、現在御浜焼きの製造はされていないようです。
▲急須のフタの取手に一部釉薬の剥がれが見られます。
急須、ゆのみ、いづれもピンホールが見られます。
全体的には使用感の無い美品です。