島根松江に長く窯を構える布志名焼・舩木窯5代目、舩木研児の陶板。
1965年頃に創窯した舩木窯は、6代目まで続いている歴史ある窯。
3代目の時代は輸出用陶器を主に作り、4代目舩木道忠は洋画家を志した時期もありましたが、
家業を継ぎ、個人作家の道を選んだといいます。
そして、5代目舩木研児。
民藝が盛んな時代で、濱田庄司に師事。1950年、33歳で日本民藝館賞を受賞。
1967年には渡英し、バーナード・リーチやデビット・リーチの窯にて研鑽を積んでいます。
本格的にスリップウェアの技法を学び、取り入れたことでも知られ、
イギリスの美術館などにも作品がコレクションされている陶芸家です。
▲こちらはスリップウェアの技法を駆使した絵画的な陶板。
舩木研児の代名詞ともいえる、スリップウェア(スポイトで化粧土を絞り出し、文様などを描く装飾の技法)
で作られる作品はモダンでシンプルな造形。
モチーフのカタツムリもシンプルながら力強さを感じます。
▲フレームは無垢材で作られており、多角的な面取りでより重厚さを増しています。
惜しまれつつ2015年10月に鬼籍に入った舩木研児の貴重な作品です。
使用感のない美品。