2015年に逝去された曾田雄亮氏の忍野窯で作られた練り上げ(練り込み)技法によるオブジェ。
練込とは、二種類以上の色土をいろいろに重ね合わせ断面にできる模様を薄く切り、形成する技法を称して「練込」または「練上手」といいます。
練込は組み上げた模様を崩さないように成形しなければならず、また、乾燥や焼成中に切れを起こし易く、そのため、成形には細心の注意が必要とされ、陶芸技法の中でも非常に手間の掛かる、そして難解な仕事の一つといわれています。
しかし、色土の重ね合わせによってできる色調の深みは絵付けなどでは出せない味わいを生み出すことができ、そこがこの技法の奥深い魅力となり、評価されています。
今回は、忍野窯の干支シリーズから4種類。
午/うま、明るい色が練り上げとマッチしている、品のある馬のオブジェ。
未/ひつじ、ぽってりとした姿が愛らしい、羊のオブジェ。
申/さる、ちょっと照れているような手のしぐさが何とも言えない、猿のオブジェ。
酉/とり、とさかや尾も丁寧に作られた、ニワトリのオブジェ。
12年で一回りの干支も、手造り品なので、毎回表情が違うようです。