フランスair borne社製のヴィンテージソファ、Kennedy(ケネディ)。
日本での取り扱いは日本総業を前身とし2003年に廃業した歴史ある家具ブランドmobilia(モビリア)。
チャールズ・バーナードによって設立されたair borne(エアボーン)社、
ライセンスにより製造していたバタフライチェア、AAチェアは多くの人が知るラウンジチェアではないでしょうか。
こちらの2シーターソファ、Kennedy(ケネディ)もシンプルな作り。
両端に四角い無垢の木製フレームを配し、
帆布でできた背もたれと座面の下地を取り付け、金具で引っ張りテンションを確保、
それにヌメ革の座面をかぶせています。
字面で追うと想像しづらいですが、なるほど!と膝を打つ構造。
ただ、何よりもまず、率直に、見た目がよろしい。
言うまでもなく、カッコいい、それがKennedyだと思います。
重要な構造でもあるフレームはアームレストも兼ねるなど、無駄を排したデザイン。
その潔さはどの位置からでも見惚れるフォルムです。
当時の資料によると革はコードバン。
他にハラコレザーやケインの仕様もあったようです。
コードバンはキングオブレザーと称される革で、キメが細かく、非常になめらかでしっとりとした独特な素材。
使用することでツヤが増しますが、こちらは既に十分に味が出ていますね。
(コードバンは通常小物程度の小さな面積しか採れないはずなので、これだけの面積が採れるというのは「?」
なのですが、当時の資料に誤植があったのか当方の知識不足なのかはわかりません。)
いづれにしても、ハンモックのように吊るされる仕組みもあり、
適度な革のしなりが心地良いことは疑いようもありません。
無駄のないシンプルなフォルムはスリムな印象ですが、
座面スペースは十分に確保されており、ゆったりと寛げる見事なバランスです。
レザーシート後方上部は壁などに接地していたのか、スレが見られます(最後の写真参照)が、
穴があきづらいように内側から革で補強済み。
木部およびレザーは長くお使い頂けるようメンテナンス済みです。