陶芸家、會田雄亮氏による湯呑三種。
練込とは、二種類以上の色土をいろいろに重ね合わせ断面にできる模様を薄く切り、形成する技法を称して「練込」または「練上手」といいます。
練込は組み上げた模様を崩さないように成形しなければならず、また、乾燥や焼成中に切れを起こし易く、そのため、成形には細心の注意が必要とされ、陶芸技法の中でも非常に手間の掛かる、そして難解な仕事の一つといわれています。
しかし、色土の重ね合わせによってできる色調の深みは絵付けなどでは出せない味わいを生み出すことができ、そこがこの技法の奥深い魅力となり、評価されています。
こちらの湯呑も練り上げ(練込)技法により、内側と外側に同じ表情が出現、
はっきりとした縞模様がモダンなデザインとなっています。
會田雄亮氏のデザインした物は氏が亡くなった現在も
忍野窯にて一部が製作されていますが、
この三種はいずれも現在は製作されていないようです(②の色違いはある模様)。
また、底面のサインから會田雄亮氏自身の手によるものと推察されます。